xStocksとは?仕組みと活用例をわかりやすく解説

Apple(アップル)やTesla(テスラ)といった米国株を、ブロックチェーン上で取引できる──そんな「トークンで株に投資する」新しい選択肢が、現在web3領域のグローバルなトレンドになりつつあります。

背景には、株式や債券、不動産、美術品、貴金属、カーボンクレジットなどの現実資産(RWA:Real World Assets)をトークン化する技術の進展と、それに対する関心の高まりがあります。

たとえば、世界最大の資産運用会社BlackRock(ブラックロック)は、2024年3月に米国籍の機関向け短期金利連動ファンド「BUIDL」を、イーサリアム(ETH)をはじめとするパブリックチェーン上でセキュリティトークンとして発行し、本格参入しました。

また、米国株アプリの代表格Robinhood(ロビンフッド)も、一部地域で株価に連動する“トークン型”の株式取引を開始し、DeFi(分散型金融)対応なども視野に入れた非証券トークンの提供を進めています。

こうした流れの中で、2025年6月にスイスのBacked Finance(バックトファイナンス)社がローンチした「xStocks(エックスストックス)」は、アップル、テスラ、NVIDIA(エヌビディア)をはじめとする60以上の米国株・ETFを、1株=1トークンとして提供。

24時間365日(Krakenでは週末取引不可)、国や時間に縛られずに取引できる、新しい株式投資の形として注目を集めています。

出典:xStocks

Bybit(バイビット)やKraken(クラーケン:日本居住者未対応)といったCEX(中央集権型取引所)に加え、ソラナ(SOL)やBNBチェーン上のDEX(分散型取引所)でも売買が可能です。

取り扱い銘柄には、アップルやテスラなどのテック企業だけでなく、マクドナルド(MCDX)のように、生活に身近なグローバルブランドも含まれており、投資先の幅広さも魅力です。

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🍔 Are you lovin' it?

Trade the golden arches today: #TheCryptoArk pic.twitter.com/KhAasMwpEj

— Bybit (@Bybit_Official) July 8, 2025

📣 $MCDXが xStocksとともに BybitSpot(バイビットスポット) に正式上場!

🍔 Are you lovin’ it?(気に入ってる?)

さあ、今日から“ゴールデンアーチ”を取引しよう。

本記事では、xStocksの仕組みや特徴、始め方、投資メリットや注意点までを、初心者にもわかりやすく解説していきます。

RWAのトークン化とは リアルワールドアセット(RWA)自体は、株式や債券、不動産、美術品、貴金属、カーボンクレジットなど無形・有形の現実資産のこと。これらをトークン化することで、DeFi市場が拡大や、各資産の流動性向上や金融取引のコスト低下など、様々なメリットが期待できます。

概要:ウォレットから始めるグローバル株式投資

xStocksは、アップルやテスラなど実在する米国株やETFを、1株=1トークンとしてブロックチェーン上に再現した資産トークンです。ユーザーは「AAPLx:アップル株」「TSLAx:テスラ株」などのトークンを通じて、実質的に株価に連動した投資ができます。

出典:xStocks

トークンの裏付けとして、Backed Finance社が対応する株式を実際に取得・信託保管しており、その価値と価格はリアルな株式市場と連動しています。

大きな特徴は、24時間いつでも売買できる点です。米国市場の営業時間に縛られず、週末や深夜でも取引が可能。証券口座やドル資金は不要で、暗号資産取引所やソラナチェーン、BNBチェーン上のDEXを通じて、ステーブルコインで購入・売却できます。

証券口座もドル資金も不要で、ウォレットさえあれば始められる──xStocksは、そんな「新しい株式投資スタイル」を実現しています。

xStocksの特徴と仕組み

xStocksは、過去の株式トークン化の課題を踏まえ、規制対応・資産管理・技術基盤・利便性の4つの側面から、より実用的なアプローチを展開しています。

■規制対応の課題を克服

かつてBinance(バイナンス)などの大手取引所が株式トークン事業から撤退した背景には、各国の証券規制(例:米国SEC)との折り合いの難しさがありました。

これに対しxStocksは、スイスで2021年に施行されたDLT法(分散型台帳技術法)に基づく「電子記録移転権利(Ledger-based securities)」として、合法的にトークンを発行。

電子記録移転権利とは、株式や債券などの権利をブロックチェーン上にデジタル記録として保存し、暗号資産のように取引できるようにしたもので、従来の証券と同等の法的地位を持つことが認められています。

この規制に配慮した現実的な方法で、実株と1対1で価格連動する資産トークンを提供しています。

■信頼性の高い裏付け資産の管理

実際の株式は、米証券会社Alpaca Securities(アルパカセキュリティーズ)が取得し、スイスの信託機関(InCore BankやMaerki Baumannなど)で保管されています。これにより、ユーザーの保有するトークンと現物株の1対1の対応関係が担保されています。

■透明性を確保する技術基盤

Chainlink(チェーンリンク)のProof of Reserve(裏付け資産のオンチェーン検証機構)やリアルタイムのデータストリームにより、発行済みトークン数と実株保有数の整合性が透明に公開されています。この仕組みにより、トークンの価値が常に実際の株式によって裏付けられていることを誰でも確認できます。

■マルチチェーン展開による利便性向上

xStocksは、イーサリアム(ETH)、ソラナ、BNB Chain(BNB)など複数のブロックチェーンで展開。これにより、取引スピードの向上、手数料の最適化、DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)エコシステム(経済圏)との統合といった利便性を実現しています。

xStocksは“株”と何が違う?

それでは、xStocksは実際の株式とどのような点が異なるのでしょうか。

■スイスDLT法に基づく「電子証券」という枠組み

xStocksは、実在する米国株やETFと1対1で価格連動するトークンを発行していますが、これはあくまで株式そのものではなく、価格を反映するデジタル資産です。 トークンの保有者は、企業の株主としての議決権・配当権などの権利を持ちません。

この仕組みは、スイスのDLT法に基づき「電子記録移転権利(電子証券)」としてトークンが発行されていることに由来します。

xStocksを提供するBacked Financeは、公式サイトにおいて以下のように説明しています。

  • “For each minted token, Backed buys the underlying asset (1‑to‑1) and holds it via a licensed custodian.”

(発行されたトークンごとに、Backedが実際の株式を1対1で購入し、ライセンスを保有するカストディアンが保管する)

  • “Operates within a compliant regulatory framework based on the Swiss DLT act.”

(スイスDLT法に準拠した合法的な規制枠組みで運用されている)

つまり、xStocksは「株のように取引できるトークン」でありながら、法的には暗号資産または電子証券という別の枠組みで扱われる点が、従来の株式投資との最も大きな違いです。

米国では未認可──規制の違いがもたらす利用制限

xStocksと株の違いは、保有権や制度の枠組みにとどまりません。取引できる地域や規制の影響も、注目すべき点の一つです。

xStocksは、スイスのDLT法に準拠した「電子証券」として合法的に発行されており、米国を除く多くの国で利用が可能です。しかし、米国では現時点でSEC(米証券取引委員会)の承認を得ていないため、米国居住者は取引の対象外となっています。

2025年1月、ブラックロックCEOのラリー・フィンク氏はCNBCのインタビューで「株式や債券のトークン化をSECが迅速に承認することを望む」と発言。トークン化によって、投資の民主化やコスト削減が実現できると強調しました。

なお、ブラックロックは同年、米国債に連動するトークン型マネーマーケットファンド「BUIDL」を提供。これはSEC規則506(c)に準拠したセキュリティートークンとして、米国においても適格投資家向けに販売されています。

このように、xStocksは米国では提供されていないものの、他国では各国の法制度に沿って幅広く展開されており、規制環境の違いがそのグローバルな普及に大きく影響していることがわかります。

ソラナ×DeFiで広がるxStocksの活用

xStocksは、複数のブロックチェーン上でトークンを発行・流通させるマルチチェーン型の資産トークンプロジェクトです。現在は以下の形式・チェーンで展開されています。

  • bToken(ERC-20)形式:イーサリアムなど(例:bAAPL)
  • sToken形式:ソラナ(例:AAPLx、TSLAx)
  • BEP-20形式:BNB チェーン(2025年7月より対応開始)

このうち、ソラナチェーン上のsTokenは、Jupiter(ジュピター)やRaydium(レイディウム)などのソラナ系DEXでスワップや売買が可能です。

ソラナの高速・低コストという特性を活かし、リアルタイムかつ手数料を抑えた株式トークンの取引が実現しています。

また、Kamino Finance(カミーノファイナンス)では、sTokenを担保とした資産運用機能の統合も進められており、DeFiならではの効率的な投資戦略が期待されています。

対応ウォレットもSolflare(ソルフレア)やPhantom(ファントム)などソラナ系に対応しており、CEX・DEXを横断した柔軟な資産管理が可能です。

xStocksのトークンは以下の取引所で取り扱われています。

  • CEX:バイビット(日本からも利用可)、クラーケン(日本からは利用不可)など
  • DEX:Jupiter、Raydium、Kamino(Solana系)、PancakeSwap(BNBチェーン系)

2025年6月30日にソラナ上でxStocksのsToken取引が始まって以来、オンチェーンでのRWA取引量は右肩上がりに増加しています。

xStocks公式も以下のようなコメントとともに、急成長する取引量のグラフを紹介しています。

Demand for tokenized equities is real

The @solana community of users and builders has adopted xStocks at incredible speeds, proving tokenized equities can be not only compatible, but central to the onchain economy.

Accelerate.

— xStocks (@xStocksFi) July 5, 2025

トークン化された株式の需要は本物です。

ユーザーやビルダーからなるソラナコミュニティは驚異的なスピードでxStocksを採用しており、トークン化された株式が互換性があるだけでなく、オンチェーン経済の中心になり得ることを証明しています。

このような動きは、sTokenを用いた資産運用や担保利用、さらには価格変動を活かしたトレーディングといった、DeFiにおける新たな株式活用モデルの広がりを後押ししています。

xStocksの買い方:CEX・DEX・ウォレットを活用したトークン取得ガイド

xStocksのトークンは、CEXとDEXの両方で購入できます。自身の投資スタイルに合った方法を選びましょう。

CEXでの購入(例:バイビット)

バイビットでは、アップル株に連動する bAAPL トークンなどを、USDT建てのスポットペア(例:bAAPL/USDT)で直接購入可能です。

バイビットはグローバル市場で広く利用されており、取引環境やセキュリティ体制の強化も進められています。

一方で、バイビットは2021年5月に日本の金融庁から「無登録で暗号資産交換業を行っている」として警告を受けており、現在も国内未登録の状態が続いています。そのため、日本居住者による利用には法的リスクが伴う可能性があります。利用にあたっては、規制状況を事前に確認し、自己責任で判断する必要があります。

DEXでの購入(Solanaチェーン)

ソラナ上で発行された sToken は、Phantom(ファントム)ウォレットなどを利用して購入できます。ウォレットの「Swap」機能はJupiter(ジュピター)などのソラナ系DEXと連携しており、ウォレット内で簡単に交換操作が可能です。

xStocksトークンの購入には、SOLまたはUSDCが使用可能です。

ここでは以下の手順で、xStocksトークンをPhantomウォレットで購入するための方法を紹介します。

1, ウォレット設定

2, SBI VCトレードでSOL(USDC)の購入とウォレットへの転送

3, Phantomウォレットで、SOL(USDC)をxStosksトークンにSWAP

SBI VCトレードの
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1, ウォレット設定

DEXでxStocksトークンを購入するには、ソラナ対応のウォレットが必要です。最も推奨されるのはPhantomウォレットです。

Phantom Walletの作成方法(PC)

Phantom Walletの新規アカウント作成手順をご案内します。初めてウォレットを作成する方にとっては、最初のステップです。

1.PC版:Phantomをブラウザにプラグイン

①Phantom公式サイトにアクセスし、ブラウザ向けのソフトウェアを選択します。

Phantom公式X

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