目次* 1. モルガン傘下E\*Trade、仮想通貨に本格参入か* 2. 米国の仮想通貨規制が緩和傾向に + 2.1. FRB・SECの規制見直し進む + 2.2. 大手銀行が仮想通貨に再注目 + 2.3. エリック氏による銀行業界への警告 + 2.4. 米金融大手も続々参入表明* 3. モルガンCEO「仮想通貨参入」に意欲* 4. モルガン参入がもたらす市場変化## モルガン傘下E\*Trade、仮想通貨に本格参入か**米大手投資銀行モルガン・スタンレーが、傘下の個人投資プラットフォーム「E\*Trade(イートレード)」で仮想通貨の現物取引サービスを計画**していることが、ブルームバーグの報道で明らかになりました。内部事情に詳しい関係者の話として、**この計画はまだ初期段階であるものの、来年中のサービス開始を視野に準備が進められている**と報じられています。これまでE\*Tradeでは、仮想通貨(暗号資産)への投資は投資信託やETF(上場投資信託)を通じてのみ可能で、顧客が直接仮想通貨を売買することはできませんでした。今回計画中の新サービスが開始されれば、**E\*Trade利用者は自分の証券口座から直接ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要仮想通貨を取引**できるようになります。## 米国の仮想通貨規制が緩和傾向に米国では今年1月にドナルド・トランプ政権が発足して以来、仮想通貨に対する規制の姿勢が徐々に緩和されています。### FRB・SECの規制見直し進むトランプ政権は仮想通貨業界に友好的な姿勢を示し、FRB(米連邦準備制度理事会)やSEC(米国証券取引委員会)による銀行・仮想通貨関連の規制見直しが進んでいます。FRBが銀行の仮想通貨関連活動に対する厳格な事前届出ルールを撤廃し、今後は通常の監督体制のもとで銀行が仮想通貨事業に参入しやすくなりました。またSECも、前政権時代に行われていた仮想通貨企業への訴訟や厳しい会計規制の一部を見直す動きを見せるなど、業界にとって追い風となる政策転換が続いています。### 大手銀行が仮想通貨に再注目モルガン・スタンレーは2021年に富裕層向けにビットコイン投資ファンドを開始するなど、以前から仮想通貨分野に取り組んできました。しかし当時は対象が限られ、一般投資家が直接ビットコインを取引することはできませんでした。規制環境の緩和を受けて、大手銀行は再び仮想通貨市場への参入を本格的に検討し始めており、モルガン・スタンレーの今回の動きはその代表例として注目を集めています。モルガン・スタンレーは2020年10月にETradeを130億ドル(約1兆8,900億円)で買収し、500万件以上の個人投資家口座を獲得しています。巨大な顧客基盤を持つE\*Tradeで仮想通貨取引を解禁すれば、同社の仮想通貨市場への影響力は飛躍的に増大すると見られています。### エリック氏による銀行業界への警告さらに業界有識者からも銀行の仮想通貨対応を促す声が上がっています。トランプ大統領の次男で実業家のエリック・トランプ氏は、4月30日のCNBCインタビューで「従来の銀行が仮想通貨に対応できなければ、10年以内に消えてしまうだろう」と警告しました。エリック氏は従来の銀行システムの非効率さを指摘し、ブロックチェーンや分散型金融(DeFi)などの技術が銀行業界を根本から変えるだろうと強調しています。### 米金融大手も続々参入表明政権に近い人物からも銀行業界の改革を求める声が出ていることは、モルガン・スタンレーの新たな取り組みを後押しとなる可能性があります。他の金融大手も仮想通貨への姿勢を変えつつあり、米ネット証券大手チャールズ・シュワブのリック・ウースター次期CEOは「規制が整えば、今後1年以内に現物の仮想通貨取引サービスを始める計画」だと明かしています。また、米フィンテック企業SoFi(ソーファイ)も「米国市場で大きな環境変化が起きている」として仮想通貨事業の拡大を検討しているとされ、仮想通貨市場への参入競争は今後さらに加速すると見られます。## モルガンCEO「仮想通貨参入」に意欲モルガン・スタンレーの経営トップも仮想通貨への取り組み強化に前向きな姿勢を見せています。モルガン・スタンレーCEOであるテッド・ピック氏は今年1月のダボス会議や米CNBCのインタビューで「米財務省や規制当局と協力して、安全に仮想通貨サービスを提供できる方法を探っている」と述べ、規制緩和が進めば本格参入する意向を示しました。この発言には、トランプ政権のもとで規制環境が改善していることが背景にあり、ピック氏は規制の壁が取り除かれれば、大手金融機関として仮想通貨サービスを開始する準備があると強調しています。## モルガン参入がもたらす市場変化今回報じられたE\*Tradeの取引サービス計画について、正式な開始時期や取扱い予定の仮想通貨の種類などの詳細はまだ決まっていません。今後モルガン・スタンレーは提携する仮想通貨企業の選定や、必要な規制当局への手続きなどを進めていくものと見られています。関係者の証言通りサービスが来年始まれば、**モルガン・スタンレーは大手銀行として初めて、一般投資家向けに仮想通貨の直接取引サービスを提供**することになります。大手銀行の参入は新たな投資家の獲得や市場の活性化につながるとの期待も高く、仮想通貨業界全体にとって重要な転換点となる可能性があります。モルガン・スタンレーの動向はもちろん、チャールズ・シュワブやSoFiなど、他の大手金融機関による仮想通貨事業参入の動きにも今後さらなる注目が集まっています。※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.46円)>>最新の仮想通貨ニュースはこちらSource:ブルームバーグ報道 執筆・翻訳:BITTIMES 編集部 サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用
米大手銀行モルガン・スタンレー「E*Trade」で仮想通貨取引サービス提供へ=報道
目次* 1. モルガン傘下E*Trade、仮想通貨に本格参入か
モルガン傘下E*Trade、仮想通貨に本格参入か
米大手投資銀行モルガン・スタンレーが、傘下の個人投資プラットフォーム「E*Trade(イートレード)」で仮想通貨の現物取引サービスを計画していることが、ブルームバーグの報道で明らかになりました。
内部事情に詳しい関係者の話として、この計画はまだ初期段階であるものの、来年中のサービス開始を視野に準備が進められていると報じられています。
これまでE*Tradeでは、仮想通貨(暗号資産)への投資は投資信託やETF(上場投資信託)を通じてのみ可能で、顧客が直接仮想通貨を売買することはできませんでした。
今回計画中の新サービスが開始されれば、E*Trade利用者は自分の証券口座から直接ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要仮想通貨を取引できるようになります。
米国の仮想通貨規制が緩和傾向に
米国では今年1月にドナルド・トランプ政権が発足して以来、仮想通貨に対する規制の姿勢が徐々に緩和されています。
FRB・SECの規制見直し進む
トランプ政権は仮想通貨業界に友好的な姿勢を示し、FRB(米連邦準備制度理事会)やSEC(米国証券取引委員会)による銀行・仮想通貨関連の規制見直しが進んでいます。
FRBが銀行の仮想通貨関連活動に対する厳格な事前届出ルールを撤廃し、今後は通常の監督体制のもとで銀行が仮想通貨事業に参入しやすくなりました。
またSECも、前政権時代に行われていた仮想通貨企業への訴訟や厳しい会計規制の一部を見直す動きを見せるなど、業界にとって追い風となる政策転換が続いています。
大手銀行が仮想通貨に再注目
モルガン・スタンレーは2021年に富裕層向けにビットコイン投資ファンドを開始するなど、以前から仮想通貨分野に取り組んできました。しかし当時は対象が限られ、一般投資家が直接ビットコインを取引することはできませんでした。
規制環境の緩和を受けて、大手銀行は再び仮想通貨市場への参入を本格的に検討し始めており、モルガン・スタンレーの今回の動きはその代表例として注目を集めています。
モルガン・スタンレーは2020年10月にETradeを130億ドル(約1兆8,900億円)で買収し、500万件以上の個人投資家口座を獲得しています。
巨大な顧客基盤を持つE*Tradeで仮想通貨取引を解禁すれば、同社の仮想通貨市場への影響力は飛躍的に増大すると見られています。
エリック氏による銀行業界への警告
さらに業界有識者からも銀行の仮想通貨対応を促す声が上がっています。
トランプ大統領の次男で実業家のエリック・トランプ氏は、4月30日のCNBCインタビューで「従来の銀行が仮想通貨に対応できなければ、10年以内に消えてしまうだろう」と警告しました。
エリック氏は従来の銀行システムの非効率さを指摘し、ブロックチェーンや分散型金融(DeFi)などの技術が銀行業界を根本から変えるだろうと強調しています。
米金融大手も続々参入表明
政権に近い人物からも銀行業界の改革を求める声が出ていることは、モルガン・スタンレーの新たな取り組みを後押しとなる可能性があります。
他の金融大手も仮想通貨への姿勢を変えつつあり、米ネット証券大手チャールズ・シュワブのリック・ウースター次期CEOは「規制が整えば、今後1年以内に現物の仮想通貨取引サービスを始める計画」だと明かしています。
また、米フィンテック企業SoFi(ソーファイ)も「米国市場で大きな環境変化が起きている」として仮想通貨事業の拡大を検討しているとされ、仮想通貨市場への参入競争は今後さらに加速すると見られます。
モルガンCEO「仮想通貨参入」に意欲
モルガン・スタンレーの経営トップも仮想通貨への取り組み強化に前向きな姿勢を見せています。
モルガン・スタンレーCEOであるテッド・ピック氏は今年1月のダボス会議や米CNBCのインタビューで「米財務省や規制当局と協力して、安全に仮想通貨サービスを提供できる方法を探っている」と述べ、規制緩和が進めば本格参入する意向を示しました。
この発言には、トランプ政権のもとで規制環境が改善していることが背景にあり、ピック氏は規制の壁が取り除かれれば、大手金融機関として仮想通貨サービスを開始する準備があると強調しています。
モルガン参入がもたらす市場変化
今回報じられたE*Tradeの取引サービス計画について、正式な開始時期や取扱い予定の仮想通貨の種類などの詳細はまだ決まっていません。今後モルガン・スタンレーは提携する仮想通貨企業の選定や、必要な規制当局への手続きなどを進めていくものと見られています。
関係者の証言通りサービスが来年始まれば、モルガン・スタンレーは大手銀行として初めて、一般投資家向けに仮想通貨の直接取引サービスを提供することになります。
大手銀行の参入は新たな投資家の獲得や市場の活性化につながるとの期待も高く、仮想通貨業界全体にとって重要な転換点となる可能性があります。
モルガン・スタンレーの動向はもちろん、チャールズ・シュワブやSoFiなど、他の大手金融機関による仮想通貨事業参入の動きにも今後さらなる注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.46円)
Source:ブルームバーグ報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用